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耳の病気

耳の構造

耳は外耳、中耳、内耳の3部分に分けられます。

  • 外耳:耳介、外耳道などがあります。
  • 中耳:鼓膜、鼓室(中耳腔)、耳小骨(音を伝える骨)、耳管(気圧調節を行う管で鼻腔に繋がる)などがあります。
  • 内耳:蝸牛、半規管などがあります。
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図1:耳の構造

耳の働き

耳の働きには聴覚(きこえの機能)、平衡覚(バランスの機能)があります。

  • 聴覚:音は外耳道→鼓膜→耳小骨→蝸牛→聴神経へと伝わります。
  • 平衡覚:半規管、前庭神経(平衡神経)が担っています。

正常な鼓膜

写真1:正常な鼓膜。
半透明な鼓膜(矢印)を通して鼓室が透視できます。

正常な鼓膜は外耳道と鼓室の間にある楕円形の膜で、成人で大きさは約9.0mm、厚さは0.1mmです(写真1)。

滲出性(しんしゅつせい)中耳炎

  • 症状:耳閉塞感、難聴、耳鳴など。
  • 原因:小児に多く、鼻炎、副鼻腔炎、アデノイド肥大等が原因で起こります。 耳管による鼓室の気圧調節ができなくなり、粘膜から液体(滲出液)がにじみ出てくる状態をいいます(写真・図2)。
  • 治療:鼻の治療と並行して、通気(鼓室に空気を入れ滲出液を減らす)治療を行います。長期化した場合(写真3)は、鼓膜切開や鼓膜チューブ挿入術を行います。

急性中耳炎

  • 写真4:急性中耳炎の鼓膜。
    矢印:鼓室に膿が溜まり、鼓膜が 膨隆しています。

    症状:耳痛、耳漏、難聴、発熱など
  • 原因:小児に多い中耳の感染症で、鼻かぜから細菌が耳管経由で鼓室に入り、膿が溜まります(写真4)。
  • 治療:安静にし、耳痛については、局所の冷却や鎮痛剤で対処しますが、膿を除去する目的で鼓膜切開を行うこともあります。 

慢性中耳炎

  • 症状:耳漏(耳だれ)、難聴、耳鳴など。
  • 原因:急性中耳炎後に耳漏が続き、鼓膜の穿孔(穴)が残ったものをいいます。
  • 治療:一般的には、抗菌剤の内服、外用(点耳)などの治療を行います。耳漏が持続し、難聴が悪化したり、めまいが起こったりする、などの場合には手術を行います。小穿孔で中程度難聴の場合は鼓膜形成手術(日帰り手術)が可能ですが(写真5)、大穿孔で高度難聴の場合は鼓室形成術(入院手術)が必要です(写真6)。

慢性真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎

  • 症状:耳漏(耳だれ)、難聴、耳痛など
  • 原因:鼓室で上皮(皮膚同様の細胞)が増殖し、あたかも真珠塊のようになる良性の病気です。先天性(写真7)と後天性(写真8)の真珠腫があり、後天性のものは、鼓室の陰圧化→鼓膜の陥凹(かんおう)→鼓室への上皮進展→真珠腫形成、という過程で真珠腫ができます。
  • 治療:軽症例では、抗菌剤の内服、外用(点耳)などで手術を伴わない治療を行います。一般には骨の破壊、進展を伴なうため、鼓室形成術(入院手術)が必要です。

先天性耳瘻孔

  • 症状:耳の前に小さな穴から白い垢や臭いのある汁が出る。
  • 原因:この小さな穴は生まれつきのもので、先天性耳瘻孔といいます。女性に多く、左右どちらにも同じ割合で出来ます。日本人では100人に2~3人程度と言われ、頻度の高いものです。遺伝性も言われています。
  • 治療:感染を起こし、周囲の皮膚が赤く腫れ上がったりすると治療が必要です。根本的治療には完全に摘出する手術が必要です。当院では13歳以上の方に局所麻酔下で日帰り手術を行っています。

写真9:耳の前に小さな穴が見られる。

耳周囲アテローマ

アテローマとは粉瘤腫(ふんりゅうしゅ)、粉瘤ともいいます(図3)。本来ならば新陳代謝に
よって表皮から剥がれ落ちる垢などの老廃物が、真皮や皮下に袋状に溜まる良性の病変です。感染時には抗生物質を投与しますが、根本的治療には完全に摘出する手術が必要です。
当院では局所麻酔下で日帰り手術を行っています。

図3:アテローマ(粉瘤)

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